私が初めてカンボジアを訪れたのは15年近く前のこと。その時の写真は手元に残っていない。なぜならトランプを使った「いかさま詐欺集団」に一眼レフカメラを奪われたからだ。
一人旅で仕掛けられた甘い罠
私は大学を卒業したばかりのフリーターで、Canonの一眼レフカメラを買って、東南アジアを貧乏バックパッカーの一人旅することにした。最初は空路でタイ➔カンボジア➔ベトナムまで陸路で駆け抜ける2週間のスケジュールだった。
事件が起きたのはシェムリアップに入って三日目のこと。カンボジア人の優しさに触れて、すっかり警戒心が解けていた私に運命の罠が訪れる。
私はいつものように一眼レフカメラを首からぶら下げて、シェムリアップのケンタッキーの前を通ったときに、ハイテンションで日本語を話す30代半ば位の夫婦に話しかけられた。
どうやら奥さんの妹が、東京の看護学校に通っていて、大の親日家。日本人と仲良くなりたいから明日うちにランチにおいで、と誘われたのだ。
不安とワクワクが入り混じっていたが、フレンドリーな彼らと仲良くなりたいためにお邪魔することにした。そのことを同じゲストハウスに宿泊する日本人には反対されたけど、私は好奇心の方が勝った。
次の日、時間通りにケンタッキーで待ち合わせして、オートリキシャーに乗り、アジトに連れて行かれた。自宅には、旦那の兄弟も来ていて紹介してもらい、親しげに話しかけてくれることも手伝って美味しくランチを食べた。手作りの唐揚げが絶品で、すっかり警戒心を失っていた。
始まった闇ゲーム
そして、本題のトランプ賭博をする話が出てきた。
これからタイ人がやってきて、カードゲーム「ブラックジャック」で、そいつから金を巻き上げよう!彼らが合図を送るから、絶対に私を勝たせてあげる。というもの。カンボジアでは合法的にギャンブルが行える場所があると地球の歩き方で読んだ記憶があり、この国では、日常的に行われてると思い込んだ。
そんな話をしているときに、奥さんが、急に情緒不安定になり奇声を上げはじめて様子が変だと思ったが、私は気にもとめなかった。

予告通りタイ人がやってきて、部屋を移動してブラックジャックが始まった。ギャンブル未経験の私はルールをよくわかっていなかったが、味方側の合図のお陰で簡単に勝った。
私の勝ちが決まったら、タイ人はもう一度やりたい!と引き下がらないために、またすることに。逆に私がどんどん負けていき、現金を持っていないのに多額の借金を抱えてしまった。
借金の金額は40万近くだったと思う。貧乏一人旅のため、現金を持っておらず、あとで一眼レフを返してもらう条件で預けて、ATMでお金を下ろしにいくも下ろせず。日本にお金を取りに行くと約束して、一緒に翌日の夕方の便の日本行きの航空券を購入。
詐欺被害と自覚
彼らが指定するホテルに宿泊するために、ゲストハウスからバックパックを取りに行き、共に移動した。ちなみに、アホな私は騙されていると気づいておらず、まだ借金を返さなければいけないと思い込んでいた。
案内されたホテルの部屋は、私が逃げ出さないためなのか廊下側にしか窓がなかった。彼らと別れた後、一人になって冷静になり、友達にメールで相談すると絶対に怪しいと言われ怖くなってきた。
持っていた地球の歩き方を開くと、そっくりそのままの被害で「いかさま詐欺」のことが書いてあり、初めて犯罪集団に巻き込まれたと気がついて冷汗が止まらなくなってきた。
後編に続く。
いいね!と思ったら、ポチッと応援お願いします!


コメント